リフォームに伴う減税制度
住宅ローン減税は、返済期間10年以上のローンを利用したリフォームが対象です。一方、リフォーム促進税制はローンを利用しない場合でも適用できることがあります。
また、耐震・バリアフリー・省エネなどの工事では、固定資産税が減額される場合もあります。それぞれ対象工事や申請方法が異なるため、工事を始める前に確認しておきましょう。
住宅ローン減税
住宅ローン減税は、住宅ローンを利用して自宅の増改築や一定のリフォームを行った場合に、年末の住宅ローン残高に応じた金額を所得税などから控除する制度です。
リフォームの場合は、年末の住宅ローン残高のうち2,000万円を上限として、その0.7%を最長10年間控除できます。
年間の最大控除額は14万円、10年間では最大140万円です。
所得税から控除しきれなかった金額については、一定の範囲で翌年度の住民税から控除されます。
対象となるリフォーム工事
住宅ローン減税の対象となる主な工事は、次のとおりです。
- 増築、改築、建築基準法上の大規模な修繕・模様替え
- マンションの床、階段、間仕切り壁などの過半を修繕する工事
- 居室、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、玄関、廊下などの床または壁全体を修繕する工事
- 現行の耐震基準に適合させるための耐震改修
- 一定のバリアフリー改修
- 一定の省エネ改修
※単なる設備交換や内装の一部変更などは、工事内容によって対象にならない場合があります。
上記のいずれかに該当する工事で、増改築等の費用が100万円を超え、かつ、その2分の1以上が自己の居住用部分の工事費用であることなど、一定の要件を満たす場合に住宅ローン減税が適用されます。
その他の主な適用要件
住宅ローン減税を利用するには、工事内容だけでなく、次のような要件も満たす必要があります。
- 自分が所有し、居住する住宅のリフォームであること
- 工事後6か月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していること
- 返済期間10年以上の住宅ローンを利用していること
- 補助金などを差し引いた対象工事費が100万円を超えること
- 対象工事費の2分の1以上が自己の居住部分に使われていること
- 合計所得金額が2,000万円以下であること
- 床面積や居住部分の割合など、所定の住宅要件を満たすこと
※親族や知人からの借入れ、勤務先からの著しく低い金利による借入れなどは、対象にならないことがあります。
いくら控除される?
住宅ローン減税の控除額は、原則として次の式で計算します。
その年の控除額 = 年末の住宅ローン残高(上限2,000万円)×0.7%
例えば、年末のローン残高が1,500万円の場合、計算上の控除額は10万5,000円です。ただし、実際に控除される金額は、その年に納める所得税額や住民税の控除上限などによって異なります。
一方、リフォーム促進税制では、工事の種類ごとに定められた標準的な工事費用相当額を使って控除額を計算します。実際の工事代金に、そのまま10%を掛ける制度ではありません。
リフォーム減税
ここでいうリフォーム減税とは、正式には「リフォーム促進税制」と呼ばれる所得税の特別控除です。
住宅ローンを利用していない場合や、ローンの返済期間が10年未満の場合でも、対象工事とその他の要件を満たせば利用できます。控除期間は改修した年の1年間で、2028年12月31日までに改修後の住宅へ入居することが必要です。
基本的な控除額は、対象となる性能向上工事の標準的な工事費用相当額の10%です。限度額を超える部分や、性能向上工事と併せて行う一定のリフォームについては、標準的な工事費用相当額の5%が加算対象になる場合があります。
対象となるリフォーム工事
リフォーム促進税制では、次の工事が対象になります。
- 耐震リフォーム
- バリアフリーリフォーム
- 省エネリフォーム
- 三世代同居対応リフォーム
- 子育て対応リフォーム
- 長期優良住宅化リフォーム
工事の種類ごとに、必要な設備、性能基準、対象者、床面積、築年数などの要件が定められています。
また、控除額の計算には、実際に支払った工事費ではなく、国が定める「標準的な工事費用相当額」が使用されます。国や自治体から補助金を受け取った場合は、その金額を差し引いて計算します。
制度を利用する際は、増改築等工事証明書、住宅耐震改修証明書など、工事内容を証明する書類が必要です。
工事を依頼する会社に、証明書を発行できるか事前に確認しておきましょう。
いくら控除される?
リフォーム減税で控除されるのは、基本的には限度額を上限にリフォーム費用の10%です。ただし、控除しきれなかった超過分および同時におこなったリフォーム工事も、総額1,000万円を限度に5%控除となります。
固定資産税も減額
耐震、バリアフリー、省エネ、長期優良住宅化のリフォームでは、所得税の控除に加えて、住宅の固定資産税が減額される場合があります。
減額されるのは、原則として工事が完了した年の翌年度分です。工事の種類に応じて、住宅の一定面積までの固定資産税が2分の1、3分の1または3分の2減額されます。
2026年9月現在、この特例は2031年3月31日までに完了した工事が対象です。適用を受けるには、原則として工事完了後3か月以内に、市区町村へ申告する必要があります。
「住宅ローン減税」と「リフォーム減税」どちらを選ぶべき?
住宅ローン減税と所得税のリフォーム促進税制は、同じリフォームについて原則として併用できません。そのため、両方の要件を満たす場合は、どちらが有利になるかを比較して選択します。
返済期間10年以上のローンを利用し、年末のローン残高が多い場合は、最長10年間控除される住宅ローン減税が有利になる可能性があります。
一方、現金で支払う場合、返済期間が10年未満の場合、耐震・省エネ・バリアフリーなどの対象工事費が大きい場合は、1年間で控除を受けるリフォーム促進税制が有力です。
ただし、計算上の控除額が大きくても、納める所得税が少ない場合は全額を控除できないことがあります。年末ローン残高、工事内容、標準的な工事費用相当額、補助金、所得税額を使って比較することが重要です。
なお、所得税の控除と固定資産税の減額は、それぞれの要件を満たせば併用できる場合があります。固定資産税の減額同士については、原則として併用できず、バリアフリー改修と省エネ改修の組み合わせなど、一部のみ併用が認められています。
まとめ
住宅のリフォームでは、返済期間10年以上のローンを利用する「住宅ローン減税」と、ローンの有無を問わない「リフォーム促進税制」を利用できる場合があります。耐震や省エネなどの工事では、固定資産税の減額も受けられる可能性があります。ただし、制度ごとに対象工事、控除額、申請先、必要書類が異なり、併用できない組み合わせもあります。契約や着工の前に、施工会社、税務署、市区町村などへ適用条件を確認しましょう。
※本記事は2026年9月現在の制度をもとに作成しています。税制改正や自治体の取り扱いにより、適用期限・要件・必要書類が変更される場合があります。

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